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わかり合いたかったわけじゃない。一致した個性を持ちたかったわけじゃない。

趣味を共有したかったんじゃない。一緒に時間を味わうことは素敵なことだけど、それを強く望んでいたわけじゃない。

考えに同意してほしかったんじゃない。

思考の回路はみんなバラバラだから、相手の意見の背景を聞いても、それでもなお相手を受け入れ難いと感じることはざらにある。

表面的なつながりかたをしたかったわけじゃない。

お互いが違うという事実をちゃんとわかりたかった。相手の言葉で聞きたかった。

わたしがなにに喜びなにに悲しむのか、それを知ってどう思う人なのかを知りたかった。そこに共感なんてなくてよかった。

感情をごまかされることが嫌だった。なにも言葉が浮かばないと言われることが大嫌いだった。まるでわたしが共感を強いてるみたいで嫌だった。共感できないから、なにも言わないで待たれることに耐えられなかった。

わたしのこの望みが、わがままだと言われることが腹立たしかった。